住宅密集地でも陽の当たる家に Part2
ご覧いただきありがとうございます。
アルキプラス建築事務所です。
前回に引き続き、住宅密集地でも陽のよく当たる家を建てるにはどのようにすれば良いのか、お話します。
Part1では、陽が最も入りにくい条件を想定し、太陽の角度を考えました。
陽を入れる方法として、
①単純に陽が入る位置まで隣地から離して建てる。
②陽を入れたい部屋の天井を高くする。
という事を検証しましたが、どちらも日の当たらないもったいない空間が生まれてしまいました。
この問題を解決するには、【太陽の角度を考えたうえで中庭をつくる】ことです。
③中庭の北側には陽を取り込みたい部屋を、南側には陽が入らなくても良い部屋を配置する。
陽が入らなくても良い空間を設けることで、もったいない空間が解消されます。
④中庭と②の天井の高さを組み合わせる。
組み合わせ次第で、なかなか素敵な空間をつくることも可能です。
また、直接光だけではなく、同時に反射光も使うといろんな光の取り入れ方が可能になります。
単純に陽を取り込むことだけで考えると③・④のようになります。
しかし実際には、真夏の直射光はできれば室内に取り込みたくありませんね…。
夏は直射光を遮って、冬はしっかりと暖かい陽を取り込みたい!
真夏の直射光を取り込まないためには・・・【太陽の角度を考えて庇を設ける】
④で出てきた反射光も少し考えます。
⑤庇を設ける。
真夏の直射光は室内に入れずに、庇上部、室内の床、外壁を反射面として考えることで充分に明るい空間をつくることができます。
もちろん光の反射を考える際には仕上げ材の色だけでなく、質感も大切です。
《太陽の角度を考える》
ズバリ、太陽の角度を考えるって…実はそんなに難しくありません。
単純に真南に対してですが・・・
夏至のときの太陽の南中高度(度) =90°-(その場所の北緯)+23.4°
冬至のときの太陽の南中高度(度) =90°-(その場所の北緯)-23.4°
広島県庁がおおよそ北緯34.4°ですので
夏至のときの太陽の南中高度(度) =90°-34.4°+23.4°=79.0°
冬至のときの太陽の南中高度(度) =90°-34.4°-23.4°=32.2°
もちろん、住宅が真南に向いているとは限りませんが、太陽の角度と方位角を計算してくれるサイトもあります。
密集した住宅地では、「太陽の角度を考えて、中庭や吹抜けをつくることで、光の道を作ってしまう。」ことが大切です。
光の道ができれば、その両端に窓を設けることで風の通り道を作ることもできます。
■■光の道については・・・こちらにも書いています。「日当たりの悪い土地」https://arch-plus.info/blog/arch-plus-blog/5938■■
窓の付け方としては、一般的に窓は同じ大きさでも、上に付けるほど奥まで光が届きます。
また、幅で考えた場合は、縦に長いほど奥まで、横に長いほど広く取り入れることができます。
複数の条件を考えることで、住宅が周りに密集していても明るく陽を感じられる家づくりは可能です!
(呉の家)
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