STUDIO Ai
写真館の改装
建築としてカジュアル、フォーマルを着こなす写真スタジオを目指して
建設場所 広島県呉市
構造規模 RC造3階建
改装面積 161.47㎡
完成年月 2005年6月
設計にあたって
呉市中心部に位置する既存の写真スタジオの改装である。
その立地条件の良さと明確な営業方針により事業としては安定しており、今回の改装はさらなるステップアップを目指し行われたものである。日常の中で蓄積された改良すべき事項も多々挙がり、クライアントの目指す姿に向けて「デザインの追及と機能の拡充」を織り交ぜながら設計は進められた。
写真館という敷居の高さのようなものを感じさせる現状の打破に向け、カジュアルなイメージを取り入れた空間づくりを目指している。そこにはリピーターを生む「気軽さ」とともに、高所得者層もターゲットに含めた「上品さ」も併せ持つという矛盾を解決しなければならなかった。内装の配色や質感などの考察に加え、ひとつひとつの家具のデザイン、緻密に計算し見直された動線計画、目的に合わせて幅広く対応する照明計画と細部に至るまでの提案を行っている。それは、「写真を撮る」という行為の持つ特性に合わせた必要最低限の要素の確保と最大限の可能性を引き出すという理にかなった矛盾を提案するかたちになったのである。
クライアント・設計者・施工者が三位一体となり「矛盾に矛盾を噛み合わせる」という作業を楽しみながら、設計-工事-リニューアルオープンの流れを生み出せたのではないだろうか。