二世帯住宅、どう分ける?
広島で注文住宅やリフォームの設計を行っているアルキプラス建築事務所です。
今回は二世帯住宅を計画するにあたって、家族のカタチに合った分け方を考えるポイントをお伝えします。
Q.二世帯住宅を考えており、水回り等もしっかり分離させたいのですが、1階・2階のような分け方だと子供が3人いるため狭く感じるのでは…と思っています。1棟の中で分ける計画ですが、親世帯・子世帯それぞれに十分なスペースを持てるようにするにはどのような分け方が良いでしょうか?
二世帯住宅を考えるにあたり、最初に整理すべきは、何か共有できるものがあるかです。
玄関・L・D・K・水廻り等、二世帯それぞれに設ければ独立性は高まりますが、同時に工事費も高くなります。
例えば…
完全分離型の二世帯であっても、中央に中庭を設けてそれを共有することは可能ではないでしょうか?
各世帯が中庭に向かって窓を設ける場合でも、それぞれの視線がぶつからないよう、同時に光と風の通りを考えた窓の配置にすることで狭い敷地でも有効に利用できます。
ご質問のご家庭の場合、現在は最大人数7人、将来的には子世帯のご夫婦2人ということもあり得るかと思います。
単世帯住宅でも家族構成の変化に伴う住宅のあり方は十分考慮すべきですが、二世帯住宅の場合はもっとしっかりと考えるべきです。
新築時では親世帯よりも子世帯の方が人数が多く、利便性等を考えると親世帯が1階、子世帯が2階というのが一般的です。
玄関廻りを共有する場合、1階と2階のバランスが良いですが、すべてを分離して完全独立型にした場合は1階よりも2階の方が必要な面積も大きくなってしまいます。
では、どのようなカタチがあり得るのか・・・
・1階の一部を親世帯、1階の残りと2階を子世帯
・親世帯、子世帯とも2階建てで考え、2階建て住宅が2件くっついたカタチ
・もっとシンプルに、3階建てにして1階が親世帯、2・3階が子世帯
等々、いろんなカタチが考えられます。
「このカタチがベスト」というのはなかなかありません。
敷地条件による部分も大きいですが、家族構成の変化によって新築当初はとても良いと思っていた間取りが無駄な部屋ばかりになるという事も考えられます。
そう考えた場合、極端な例ですが、2つの玄関と階段、外壁外周以外の壁や柱が自由に取り外せる状態はどうでしょう?
この状態を最初に構成してしまうことができれば、決まった間取りといった考え方ではなく、リフォームを行うことで部屋数や部屋の広さ、二世帯それぞれの住宅の大きさも変えることができます。
単純に家族構成の変化へ対応できるだけではなく、将来的に不要になったスペースを賃貸に利用することも可能になります。
この考え方はあくまでも理想形かもしれません。
実際には水廻りの位置は給排水配管の関係上、位置の変更が簡単ではなかったり、
完全二世帯の場合は法的に長屋の扱いになるので、二世帯間の間の壁(界壁といいます。)に一定の性能が要求されたりすることで制約を受けます。
ですが、考え方としては十分に取り入れる価値はあると思います。
ご家族の状況も含め一緒に良いカタチを考えていきますので、二世帯住宅もぜひご相談ください。
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