shirokuro
 ■円・・・・といっても日本の通貨ではありません。
 いつも愛読している重松さんの小説の解説部分に円(サークル)について書かれているのがありました。
 円には2通りあると・・・(以下引用)
「一つは、その円の内側をさまざまに塗りつぶしていくことによって、円の全体像そのものを描ききる方法。つまりは対象が内包し、それ自身を構成する内的な要素を、 できるかぎり余すことなく描き込んでいく。」
「もう一つは、その円の外側をやはりさまざまにぬりつぶしていくことによって、円の輪郭を浮き上がらせる方法。つまり対象の内側へは踏み込まずに、その外延・背景を効果的に描きながら、最終的に受け手の創造力を対象の内側へと誘導していく。」
 円、線だけで描いた円と、内側に色のついた円、外側に色のついた円・・・・
引用文にあるように円を描く時の手法としては2通り有りますが、どうでしょう?
実際に出来上がった2つを見比べた場合には上記の2通りは見る人によって変わるのではないでしょうか?
 つまり、図と地の関係でどちらが図でどちらが地か、手法の話で言えば、黒で円を描いたのか白で円を描いたのか・・・・
 ということは見た目は2通りの円の絵でも手法を考えた場合は4通りの円ということになります。
 結果は同じでも、その仮定においては全く反対の手法もあるいうことです。
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 建築においても、出来上がったものはパッと見ただけでは全く同じようなものでも作り手がどういった考え方でどのようにつくるかによって、実際には全く反対の意味を持ったりします。
 結果的には、何年か経った後に答えが出るのですが・・・・